
今クールのテレビドラマで、出版社の校閲部が舞台になっているドラマがありますね。興味があって毎週見てるんですが、私がまだ会社勤めをしていた頃のことを思い出して懐かしいです。
私が勤めていたのは出版社ではなく印刷会社だったのですが、印刷物を作る行程の中では、「校正」が大変重要で、「校閲」のように文章の誤りやつじつまが合わないことまではチェックしないものの、誤字脱字や誤植などがないかどうかをチェックしておりました。
で、私は校正をする係ではなく製版という部署だったのですが、校正が済んだ後の製版行程で誤字脱字を見つけることは結構頻繁にあり、それまでの行程で大勢の人の目に触れているはずなのに、間違いというのはあるものなのだなあと感じていました。
このドラマの第2回で、間違えて印刷してしまった本の、間違え箇所にシールを貼って発行日に間に合わせる・・・というエピソードがありましたが、これも私の印刷会社勤め時代に何度となく経験し、社内全員でシール貼りを手分けしたこともありました。
更には、こうやってシール貼りをしたにもかかわらず、私のミスで、別の場所にとんでもない間違いが出てきて、それはシール貼りではとても直らない場所だったので、結局刷り直しとなり、会社に大損害を与えてしまったことがありました。社員全員で何時間もかけて行ったシール貼りは無駄骨になったのです。
さすがにこの時は責任を感じて落ち込みました。進退伺いを出そうかと思ったぐらいです。
あれから数十年。
今の私の仕事は、間違えていたら全部刷り直しになる印刷物とは違って、すぐに修正してファイルをサーバーにアップするだけで正しい情報に差し替わりますので、大損害になるようなことはほとんどなくなりました。ですが、これは逆に言うと、「どうせ間違えていてもすぐ直るし」・・・というように、校閲の重要さを軽く見ている人もいると言えなくもないです。現代社会においては、むしろ紙媒体主体の頃に比べて、今のほうが間違いが多くなったとの指摘もあるようです。
未だに文章を読んでいると、ときどき誤字脱字変換間違い用法間違いなどを発見することがあります。一種の職業病みたいなものなのかもしれません。
とは言いつつ、自分も打ち間違い等はあります。自分への戒めも含めて、校正・校閲はしっかりと行わないといけないなあと思う今日この頃です!