11月2日にリニューアルした、ピクセル工房Webサイトの背景画像について解説いたします。
さて今回はその第2弾。
「サービス内容」ページですが、タイトルは「吉野川カンドリ舟」です。
カンドリ舟とは、吉野川中流域で主に鮎漁に使われる舟ですが、初夏の頃の吉野川の風物詩となっています。
その昔、あまり橋が架かっていなかった頃は、渡し船として吉野川を横断していたそうです。
調べてみますと、カンドリ舟を作っている船大工さんは、徳島に二人しかいなくて(10年前の情報なので、今現在はどうなのか???)、いずれも高齢であること、また後継者もいないとのことなので、今後、吉野川のカンドリ舟を見る機会は少なくなるかもしれません。
このページの写真は、1994年に撮影したものですが、実を申しますとカンドリ舟を撮りたかったのではなく、たまたま「そこに舟が居た」のでした。
現場は石井町の高瀬潜水橋西付近。過去何度も足を運んで、撮影ポイントや撮影時間などのチェックを行っていましたので、あとは「絶好の撮影日和」を待つだけでした。そして撮影当日、「きょうはとても良い絵が撮れそうだ!」と確信し、現場に向かったのです。
現場に到着したとき私の予感は的中しました。日没後の西の空が黄金に輝き、その空を映している川面が、まるでドロドロと溶岩が流れているように見えました。20年経った今でもそのときの情景ははっきりと脳裏に焼き付いております。
いつもなら少し早めに到着してゆっくりと撮影準備に取りかかるところなのですが、この日は出発が遅れたため、現場に着いたときにはすでに「今がまさにシャッターチャンス」というタイミングでした。大慌てで三脚を立て、カメラをセットして、夢中で何度もシャッターを切りました。
やがて黄金の空は茜色へと変化していき、溶岩のような流れもその色は深みを増していったのです。
そんな絶妙のタイミングに、あのカンドリ舟がちょうど画面中央にポイントとなって・・・。
吉野川や空の色は狙い通りでしたが、カンドリ舟は全くの偶然でした。
良い出逢いに感謝です。


